小説家 蓮見恭子公式サイト HP

就職活動がうまくいかず自分を見失っていた大学生の砂羽。
またもや面接で失敗し、落ち込みながら訪れた「ペンフェア」で見つけたのは奇妙な看板だった。
それは、「あなたの人生が変わります 万年筆よろず相談」というもの。
「人生が変わる」という言葉に興味を持った砂羽は、看板のお店「メディコ・ペンナ」を訪れることにした。
店主はぶっきらぼうだが万年筆の補修を任せたら随一で、万年筆の買い付けや修理のためにいろんなお客がやってくる店らしい。そして、それだけではなく、「とある事情」を抱えたお客もやってくるのだとか。
使っているうちにその人の癖が馴染む文具<万年筆>。
そこからにじみ出る使い手の悩みや苦しみを、店主は静かに掬い上げて答えを導いてくれるのだという。
何かに引き寄せられるかのように、砂羽は「メディコ・ペンナ」でアルバイトを始めることにしたのだが――